5月法定研修及び定例会議開催
【研修報告】
5月のヘルパーミーティングでは、 「虐待防止の視点で考える支援と選択(不適切ケア)」をテーマに研修を行いました。
日々の支援で起こりやすい場面を振り返りながら、 利用者様の意思を尊重するための関わり方について意見交換と学びを深めました。
訪問介護の現場では、暴力や身体拘束といった“明らかな虐待”は起こりにくい一方で、 声かけ・態度・説明不足などによる「放置すると虐待に繋がりかねない」不適切なケアは、1対1のケアの中で見過ごされがちです。
悪意がなくても、忙しさや慣れから無意識に行ってしまうことがあり、 利用者様の不安や不信感につながるケースもあります。
■ 不適切ケアとは?
研修では、実際の支援場面を例にしながら、次のような行動が不適切ケアにつながることを確認しました。
- 利用者様の話を遮る
- 早口・強い口調・命令口調
- 無言で作業を進める
- 説明不足のまま支援を始める
- 「今日はこれ作りますね」など、本人の意思確認が不十分な声かけ
- 勝手に掃除・配置変更・味付け変更をしてしまう
- 入浴拒否時に無理に進めてしまう など
どれも“やってしまいがち”なものばかりで、 スタッフ同士でも「気をつけないと出てしまうね」と振り返る場面が多くありました。
■ 本人の「選択」を守る支援
今回の研修で特に大切にしたのは、 「本人が本当に選択出来ているか?選択する機会があったか」という視点です。
例えば、
- 「寒いですよね、上着を着ましょう」
- 「今日はこれ作りますね」
- 「AとBどっちにしますか?」
一見すると選択肢を提示しているように見えますが、 実は 本人の意思が確認されていない ことがあります。
支援者が“良かれと思って”進めてしまうと、 利用者様の自己決定の機会を奪ってしまうことにつながります。
上記の例文を用いて、本人の意思を確認するための声かけを 例示します。
•「寒いですよね、上着を着ましょう」
→「今日は肌寒いようですが、洋服はそのままで大丈夫ですか?」
•「今日はこれ 作りますね」
→「食材は◯と△がありますね。〜や…が作れますが、ご希望はありますか?」
•「AとBどっちにしますか?」
→「AとBがありますね。他にご希望があればおっしゃってくださいね。」
■ 身体介護・生活援助での判断
● 入浴拒否の場面
無理に入浴を促すのではなく、
- 体調の確認
- 気持ちの確認
- 時間を置く
- 別の話題を挟む
- 準備だけして様子を見る
など、いくつかの選択肢を用意し、入浴に向けた 声かけを行うこと大切です。
● 冷蔵庫の腐敗食材・片付け
衛生面と本人の意思のバランスが難しい場面です。
- 勝手に捨てない
- 勝手に整理しない
- 腐敗したものが破棄できなかった場合には、事業所やケアマネと情報共有する
といった対応が必要であることを確認しました。
■ 安心して暮らせるからこそ、在宅で生活する意味がある
今回の研修で印象的だった言葉がこちらです。
「ご利用者様の命と健康を守る」という命題だけに囚われてしまうと、ご利用者様の大切な尊厳を、心ない言葉で傷つけてしまうかもしれません。生活の中の一つ一つをご利用者様が選択しながら暮らすことを、私たちは 見守り 応援しなければならないと思います。
利用者様が安心して在宅生活を続けられるよう、 スタッフ一人ひとりが意識して取り組んでいきたいと思います。
■ 定例会議より(備品の使い分け)
物価高騰や入手困難の影響を受け、 グローブやエプロンの適正使用についても確認しました。
- 感染リスクの高い場面 → 従来の厚手グローブ
- 軽微な介助 → 薄手グローブまたは不使用も可
- 布エプロンは清潔であれば継続使用可
- 劣化が著しいものは処分してOK
現場の負担を減らしつつ、安全な支援を続けるための取り組みです。
■ 最後に
今回の研修は、 「支援の基本に立ち返る」大切な時間となりました。
利用者様の生活を支える私たちにとって、 “選択を尊重する支援” は欠かせない視点です。
これからもスタッフ全員で学びを深め、 より良い支援につなげていきたいと思います。

