9月法定研修及び定例会議開催
「いつもと違う」に気づくことから始まる 訪問介護の緊急時対応、感染症対策の訓練研修
今回の研修では、訪問介護の現場で起こり得る緊急時の対応と感染症対策について、職員研修を行いました。
研修では、実際に訪問した際に「利用者様が倒れていた」「嘔吐していた」など、突然の出来事に遭遇した場合を想定し、職員同士で意見を出し合いながら、具体的な対応方法を確認しました。
「いつもと違う」に気づくこと
訪問介護では、利用者様の生活に継続して関わるからこそ、普段との小さな違いに気づくことが大切です。
「顔色が悪い」
「いつもと話し方が違」
「部屋の様子がいつもと違う」
こうした小さな変化が、体調不良や緊急事態のサインになることがあります。
そのために大切なのが、「その人らしい、いつも」を知っておくことです。
ヘルパーに求められるのは病気を診断することではありません。日々の生活の中で、「いつもと違う」という変化に気づき、必要な対応につなげることです。
五感を研ぎ澄ませて…
- 表情や顔色、声のトーン
- 会話の内容
- 動作や歩き方
- 衣類の乱れ、臭い
- 食事や水分を摂った形跡
- トイレの汚染の程度
- 床に落ちているゴミ、または汚れ
- 請求書や手紙等の整理
- 体温・血圧・排便の有無などのバイタル
普段の様子を知っているからこそ、「今日は何か違う」と気づくことができます。
特にバイタルは、単純に基準値だけを見るのではなく、その人の普段の数値と比較することが大切です。
例えば、普段の血圧が120mmHg程度の方が160mmHgだった場合と、普段から血圧が高めの方が160mmHgだった場合では、その意味が異なります。
また、支援開始時の「最初のひと声」も重要です。
掃除などの生活援助であっても、まず利用者様の目を見て挨拶をする。そのときの表情や返事、声の様子を確認することが、日々の変化に気づくきっかけになります。
緊急時は「一人で抱え込まない」
利用者様が倒れている、意識がない、急な体調悪化があるなど、通常とは異なる状況に遭遇した場合、ヘルパー一人で判断しないことが重要です。
研修では、緊急時にはまず事業所へ電話で連絡し、指示を受けることを確認しました。LINEなどのメッセージではなく、電話で確実につながることが大切です。
また、必要に応じて事業所から家族やケアマネジャーへの連絡を行い、救急対応となった場合には、利用者様の必要な情報や持ち物の準備などを協力して行います。
そして、対応後は必ず記録・報告を行い、次の支援につなげます。
感染症を想定した「嘔吐物処理」の実践
後半は、実際に利用者様が嘔吐して倒れている場面を想定し、感染症対策を意識した実技訓練を行いました。
ガウンやマスク、手袋などを適切に使用し、換気を行いながら、利用者様の安全確認、安楽な姿勢への対応、嘔吐物の処理、使用した防護具の脱ぎ方までを実際に確認しました。
訓練を通して特に印象に残ったのは、「着ること」だけでなく「脱ぐこと」が非常に重要だということです。
せっかく防護具を着用していても、脱ぐ際に汚染された部分に触れてしまえば、感染を広げる可能性があります。
そのため、手指衛生を意識しながら、一つひとつの動作を確認して脱いでいくことの大切さを学びました。
緊急時はまず冷静に、慌てない。
今回の研修では、実際に訓練してみることで、「頭では分かっていても、いざという時には迷う」ということにも気づきました。
だからこそ、普段から訓練を行い、いざという時に落ち着いて動けるようにしておくことが大切です。
また、感染症が疑われる場面であっても、まず忘れてはいけないのは利用者様の安否確認です。
倒れている方を発見した場合には、感染から自分自身を守るための最低限の防護を行ったうえで、呼吸などの状態を確認し、必要な救急対応につなげることが重要だという意見が出ました。
研修を終えて
訪問介護は、一人で利用者様のお宅を訪問する時間が多い仕事です。
そのため、突然の緊急事態が起きたとき、「どうしたらいいのだろう」と不安になったり慌てることもあると思います。
今回の研修を通して改めて感じたのは、
「いつもと違う」に気づくこと。
一人で抱え込まないこと。
そして、普段から備えておくこと。
この3つの大切さです。
日々の何気ない挨拶や会話、表情、生活の様子から、利用者様の「その人らしい、いつも」を知っておく。
そして、小さな変化に気付いたときには早めに事業所へ報告する。
これからも、職員同士で声を掛け合いながら、安心して在宅生活を続けていただける支援を目指していきたいと思います。

